Let's めやす

「外国語学習のめやす」は、国際文化フォーラムが学習者が主体的に学ぶことをはじめ、21世紀の複雑な社会を生き抜くスキル、21世紀型スキルを身に付けるために作成した教育方針です。私たちは「めやす」の教え方をみんなで共有できるようにワークショップを行っています。そのワークショップの詳細を説明します。

【ワークショップ開催報告】2021年3月10日めやすWSオンライン

新型コロナの影響で、研究会やワークショップが行えない今年度は、オンラインで目標分解表のワークショップを行っております。今回は2回目でした。

 

プログラムはこちら、

https://letsmeyasu.hatenablog.com/entry/2021/01/24/202614

 

オンライン開催ということで、タイ、ブラジルと日本国外からの参加者も。

10時から16時と長丁場でしたが、みなさん集中して取り組んでくれました。

 

今回が今までと違ったのは4点。

1点目は、主催の私がインストラクショナルデザインについてもっと勉強して、これを取り入れたことです。

 熊本大学の鈴木克明先生は、講義形式からの脱却についてよく話されます。

『研修設計マニュアル』39ページによると

  研修は仕事の時間を犠牲にして初めて成り立つものであるから、同じ効果があるのであれば、もっと効率的な手段を選択すべきだ。』とのことで、今回講義形式をやめました。

①「目標分解表とは」という説明を10分ほど講義形式で行う予定でしたが、先にビデオを見ていただき、グループで自己紹介を兼ねて、目標分解表についての疑問点を話してもらう時間にしました。

https://youtu.be/H4SPb3gbsvI

② 実践報告については、その場で話してもらうのではなく、希望のプロジェクトで多いものを実践されている先生にお願いして、ビデオをとってもらい、当日それを流しました。

(ネット環境が悪い方には、限定公開したyoutubeを見てもらうようにしました。本当はこれも事前課題にすればよかったのかもしれません)

 

③ スライドや目標分解表など迷子にならないように、すべて共有URLをとって、グーグルドキュメントで貼り付けるようにしました。

 

④前回は、評価について取り組む時間がなかったので、早めに取り組んで、評価を入れてもらうように促しました。

 

グループは7グループで、観光ガイドマップを作る、タイの街の魅力を伝える動画を作る、大学のキャッチフレーズを作って、PR動画を作る、初対面の人に話しかける会話をスキットを作成し、ドラマとして実演する、学園祭で、自国の料理を紹介、販売するなどなどのプロジェクトを考えました。

  

終了後、いろいろと勉強になったという声をいただきました。ペア、グループで行ったのもよかったとのことでした。

今回作った目標分解表に沿って、プロジェクトを実践すると言ってくださった先生方がいたので、ぜひまた報告していただき、それを聞いた方が実践するという「つながり」も大切にしたいと思いました。

 

改めて、みなさんと一緒に目標分解表を作っていて、3段階に分ける意味と、小目標と中目標の違いなどについて考えました。

 

あくまで、私の見解ですが、中目標は技能で分けるといいのかなと思いました。

街紹介のビデオを作るのであれば、街の分析、ビデオのスクリプトを書く、ビデオを作るの3つ。

インタビュー記事を書くのであれば、インタビュー記事を読む、インタビュー相手にアポをとる、インタビューする、インタビュー記事を書くの4つ。

「読む」は目標が達成したかどうか確認できないので、「読んで構成をまとめることができる」になるとは思いますが…。

 

小目標は教室活動の目標、個々のタスクが目標に結びついていないといけないのかなと思いました。

 

インストラクショナルデザインでTOTEモデルというのがあります。

これは、特定のゴールを目指して進むときに、常にゴール達成しながら作業を進めることを図式化したモデルで、TEST→OPERATE→TEST→EXITの頭文字をとって、TOTEモデルと言われる(鈴木2004『詳説インストラクショナルデザイン:eラーニングファンダメンタル』)

とのことです。

この考えでいくと、目標ごとに形成的評価をおいて、目標が達成されたか、進捗状況を確かめながら、プロジェクトを進めると、失敗せずに進めるのではないかなと思いました。

小目標ごとにおければベストですが、時間の関係でおけない場合もあり、評価のことも考えると、目標たてやすいのでしょうかねぇ。

このへんがチェックリストにも取り込めたらいいなと思いました。